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栃木県栃木市 「蔵のある景観」

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蔵のあるまち、栃木市

栃木県栃木市の中心街、大通りや巴波川(うずまがわ)沿いに、古い造りの民家や蔵が並ぶ重厚な景観をみることができます。

 

日光例弊使街道の宿場として、そして利根川水系の巴波川を利用した舟運によって栄えた城下町、栃木市。当時の街並みをそのまま切り取ったような景観は、どことない懐かしさとともに現代まで脈々と続いてきたこの地の歴史観を大きく心に残します。きっと「日本人」の部分が常に持ち続けている原風景とシンクロするからなのでしょう。

 

商業都市として発展したため、蔵が数多く建造されました。現在も400余の蔵が残っていると言われています。(ちなみに栃木市が県庁所在地だったのは、廃藩置県が施行された明治4年から17年の13年間のみ。栃木県と日光県の合併に伴い、県庁所在地の座は宇都宮市に移譲されました)

また、重厚さに一役買っているのが建物の「黒さ」。吸湿を防止するため、漆喰には煤(すす)を混ぜて油分が加えられています。だから黒い。この黒さは、重厚さを演出するためのものでなく「用」に則しているんですね。

 

 

景観を変えない勇気

栃木市が歴史的景観のまちづくりを目指し始めたのは約二十五年前のこと。それまではこの歴史ある市も、時代の変容につれ街並みは凡化を重ねていました。蔵造りの趣は次々とアーケードや看板などに取って代わられ、蔵の街並みの面影は消え去ろうとしていたのです。しかし昭和六十年代、まちづくりの気運が市民の間に高まるとともに、蔵や民家など栃木市特有の歴史的建造物が観光・景観資源として見直されます。そして昭和六十三年、栃木県の「誇れるまちづくり事業」として「巴波川・蔵の街ルネッサンス」をテーマに、中心街に歴史的な景観づくりを造り上げるという、具体的な「まちづくり」が開始されたのです。

 

仕切られたテーマパークでなく、景観そのものを観光資源とした街にも、そこに住まう人々の日常があります。個人所有の各建造物を、ひとつの歴史的な景観として足並みを揃え続けるには相当な苦労があることは想像に易いことでしょう。しかしその景観の中に身を置き、自分と景観の相互関係を意識しながらおくる日常は、(考え方次第で)とても豊かなものかもしれません。自分が「まちづくり」の一員であるという自覚が「モチベーション」につながれば、人にとっても街にとっても非常に幸せなことですね。

栃木県栃木市 「蔵のある景観」
住所:栃木県栃木市入舟町7-26(栃木市役所)
ホームページ:http://www.city.tochigi.lg.jp/

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